Heals九州シンポジウム:傷ついた医療事故当事者へのケア


医療有害事象が発生したとき、患者遺族はもちろん、事故に直面した医療者も深く傷つき苦悩することになります。多くの医療者は、抑鬱状態に陥り、何度も事故の様子がフラッシュバックするなど、いわゆるトラウマを抱え込むことになり、体調に影響がでる場合もあります。医療者としての自信も喪われ、現場に戻れず、なかには自罰意識が昂じて自殺に至るケースもあります。どのように見守り、声をかけ、あるいは支援をしていくのか、周囲の医療者も、日常からそうした知識を身につけ、また病院として、支えのシステムを備えていく必要があります。事故後に、患者家族の悲嘆と心理状態に適切に対応していくことの重要性は、メデ ィエーションのモデルなどを通じ、これまでも強調されてきました。それとまったく同等のケアとサポートが、事故当事者の医療者にも必要です。こうした考え方やシステムのあり方を検討していきます。